トイレタンクの水がたまらない原因とは。どのように対処したら良い?
トイレタンクの水がたまらない原因とは。どのように対処したら良い?
【クラシアン】トイレの水を流してもチョロチョロとしか流れない症状に困ってはいませんか。うまく水が流れないのは、トイレタンクに水がたまらないことが原因かもしれません。この記事では、トイレタンクに水がたまらない原因や対処法をご紹介します。
クラシアン編集部
記事公開日:
トイレのタンクに水がたまらないとどんな問題がある?
トイレタンクは、レバーを回すことで便器内に水を送る仕組みです。レバーを回すことでチェーンが引っ張られ、排水口をふさぐフロートバブルが連動して持ち上がることによって便器に水が流れます。
便器内に水が排水されるとトイレタンク内の水量が減るため、正常であれば一定の水位を保つために水が供給されます。浮き球で水位を調整するタイプの場合は、浮き球につながるボールタップが開いてトイレタンクに水が供給される仕組みです。
トイレタンクに水がたまらないのは、トイレタンクに水を供給する部分に故障があったり、何らかの理由で水が流れ続けていたりすることが考えられます。
タンク内に十分に水がたまらないと、トイレ使用後の水がうまく流れないなどして支障が生じることもあるでしょう。また、水が漏れて流れ続けることが理由でトイレタンクに水がたまらないときは、水をムダに消費してしまう可能性もあります。
トイレのタンクに水がたまらないときの主な原因
トイレタンクに水がたまらない原因は、どのような理由があるのでしょうか。主な原因を9つ取り上げます。
止水栓を開け忘れている
止水栓は、給水管と給水器具の間にあり、給水管からの水を一時的に止めたり、トイレの給水をコントロールしたりするために付いています。トイレ以外にも、メンテナンスや調整のために水回りに設置されているものです。
トイレの場合は、トイレタンクの近くの壁や床に設置されています。トイレをすでに使用している場合は止水栓が開いていますが、引っ越し後に初めて使用する場合は止水栓の開け忘れが原因の可能性があります。
また、止水栓の開け忘れの他、新築当初に給水量が多すぎると止水栓を絞り調整することがあります。年数が経過して細くなった水の通路にごみが引っかかったり、水道管内の錆が発生したりすると詰まりやすくなります。詰まりが原因でトイレタンクに水がたまりにくくなることもあります。
浮き球に不具合がある
浮き球は、トイレタンク内にあるボールタップという部品の一部で球状のものです。水量を調節する役割があります。浮き玉が一定ラインまで浮くとトイレタンク内への給水が止まり、浮き球が下がると給水が始まる仕組みです。
浮き球が正常な位置にないときは、浮き球の根元(ボールタップ本体のピストンバルブ等)に問題がある可能性も考えられるでしょう。トイレタンクによっては浮き球がないものもあります。
ボールタップが故障している
ボールタップは、トイレの給水にかかわる部品です。トイレタンク内の給水口の近くに位置しています。
ボールタップの先に浮き球が付いている場合、浮き球を引き下げたときに水が供給されるか確認してみましょう。浮き球の位置を変えても水が供給されないときはボールタップが故障している可能性があります。
浮き球ではなく、水圧調整としてダイヤフラムが付いたボールタップのときは、ダイヤフラムの故障も疑われるでしょう。ダイヤフラムが壊れると水が出づらくなったり、少量の水漏れが発生したりすることがあります。
フィルターの劣化や目詰まりが起きている
フィルター(※メーカーによってはストレーナーと呼ぶこともある)は止水栓に取り付けられた部品のことです。水道水の不純物が入り込まないようにする役割をもっています。ボールタップの接続部にもフィルターのようなものが取り付けられているものもあり、それをストレーナーといいます。
フィルター(ストレーナー)も、不純物がたまりやすい部分です。目詰まりを起こしてしまいトイレタンク内に水がたまりにくくなることがあります。
フロートバブルが劣化している
フロートバブルは、トイレタンクの底で排水口をふさぐ役割をもった部品です。ゴムでできているため、水の中では経年で溶け出してしまったり、劣化すると縮んでしまうことがあります。
フロートバブルが原因の場合、基本的にトイレタンクに水がたまらないほどの原因にはなりません。しかし、いつまでも水がチョロチョロ流れ続けることから、トイレタンクの給水が止まらない原因になりえます。
なお、排水口の水漏れがひどくトイレタンク内に水がたまりにくい場合は、フロートバブルがチェーンに絡まるなどして正常な位置に収まっていない可能性も考えられるでしょう。
ゴムパッキンが劣化している
ゴムパッキンは接続部に使用される、レバーなどトイレタンク内のさまざまな場所に使われている部品です。ゴムパッキンは劣化すると水漏れすることがあり、トイレタンク内の不具合はゴムパッキンの劣化が原因のこともあります。
オーバーフロー管が損傷している
オーバーフロー管は、トイレタンク内にある筒状の部品で、樹脂でできていることが多いです。
通常の使用ではオーバーフロー管は機能しませんが、トイレタンク内の部品が故障して水位が上がりすぎたときに、水があふれないようにする役割があります。一定以上に水位が上昇したときに、オーバーフロー管を通って水が排水される仕組みです。
オーバーフロー管に亀裂が生じたり折れたりした場合、水漏れによりトイレタンク内に水がたまらなくなることがあります。なお、オーバーフロー管は破損しやすく、ほかの部品と比べて自力での交換は難易度が高いです。
レバーハンドルが故障している
レバーハンドルは、手動でトイレの水を流すために設置されています。レバーハンドルを回して通常の位置に戻らないときは、故障が疑われるでしょう。レバーハンドルの動きが悪いとトイレタンク内の装置が正常に作動せずに、水漏れや水がたまりにくい原因になります。
水道管に問題が生じている
トイレタンクに水がたまらない場合、トイレに水を供給する大元である水道管に問題が生じている可能性があります。
一時的な原因として挙げられるのが、水道工事や水道管の凍結です。水道管の断裂も原因のひとつで、水害や地震などの災害の直後であったり、老朽化が進んでいたりする場合は、水道管の断裂が起きて水がうまく供給されないことがあります。
さらに、水道管内に錆コブによる詰まりが生じていることも原因として考えらえるでしょう。錆コブがあると水道管の水の通りが悪くなり、水が出づらくなることもあります。
トイレタンク内に水がたまらない症状だけでなく、トイレ自体に水が流れてこない場合は水道管に問題が生じている可能性も疑われるでしょう。
トイレのタンクに水がたまらないときの7つの対処法
トイレタンクに水がたまらないときの対処法を7つご紹介します。
ただし、自分で対処する場合はかえって状況を悪化させてしまう可能性があることに注意が必要です。あくまでトラブルを解消できる可能性として参考にされることをおすすめします。トイレタンクに水がたまらないときは、水回りのプロへの依頼もご検討ください。
1.止水栓が開いているか確認する
止水栓の開け忘れの可能性がある場合は、止水栓が開いているか確認しましょう。止水栓には、ハンドル式、コック式、ドライバー式があります。ハンドル式やコック式は手で回すことで開閉できますが、ドライバー式はマイナスドライバーが必要です。
止水栓を反時計回りに回してもそれ以上回らなければ、止水栓が開いている状態です。回る余地があるときは、止水栓の開け忘れの可能性があります。
新築当初に止水栓を絞って調整している場合は、止水栓を反時計回りに回すことで水量が増え症状が改善することもあるでしょう。
ただし、そのまま全開にすると水道管内の錆水が一時的に大量に放出されるおそれもあります。フィルターやボールタップに錆が詰まることがあるため、事前に外して錆抜きをしてから調整するようにしましょう。
2.浮き球を調整する
浮き球の不具合でボールタップそのものの故障であれば交換が必要ですが、故障でないときは調整により改善できる可能性があります。例えば、浮き球がアームから外れている場合などです。
浮き球は、以下のような手順で調整できます。
1.止水栓を閉めてトイレタンクのふたを外す
2.ボールタップに水位調整リングが付いているか確認する
3.タンク内の水を標準に合わせる(オーバーフロー管にWL表示とラインのある場所が標準)。水位調整リングがあるときはリングを回して調整、ない場合は浮き玉のアームを上下にして調整する
4.浮き球が引っかかっている場合は、原因を取り除き不具合がないか確認する
5.問題がなければトイレタンクのふたを閉めて止水栓を開ける
なお、浮き球のアームを手動で動かす調整は、あくまでも応急処置としての水位調整です。本調整ではなく一時的な対処法になるため、原因を根本から改善できない可能性がある点には注意しましょう。
3.ボールタップを交換する
ボールタップの不具合によりトイレタンクに水がたまらない場合、ボールタップを丸ごと交換することも検討しましょう。
先述したように、浮き球の調整だけで改善する場合もありますが、劣化している場所や不具合が起こっている箇所を特定して対処するのは手間がかかりますし、それだけでは改善しないケースもあります。
原因の特定にも時間がかかるので、手間や難易度を考えると丸ごと交換してしまった方が楽です。
ボールタップを交換する場合は、使用しているトイレのボールタップの種類を特定して、トイレタンクに適した交換用のボールタップ、レンチ、マイナスドライバーを用意しておきましょう。ボールタップは以下の手順で交換できます。
1.止水栓を閉めてタンクのふたを開ける
2.ボールタップにつながっている手洗い管や給水管などを取り外す
3.ボールタップ本体を取り外す
4.新しいボールタップに交換してパッキンをはめナットで固定する
5.取り外した給水管や手洗い管などを新しいボールタップに取り付ける
6.タンクのふたを閉じて止水栓を開ける
4.フィルターの目詰まりを解消する
フィルター(ストレーナー)の目詰まりが原因のときは、止水栓やボールタップ接続部のフィルターを取り出して洗浄します。止水栓はふたを取り外す、ボールタップは給水管との接続部をナットで外すことで、フィルターの取り出しが可能です。
取り出したフィルターは、歯ブラシなどを使って汚れを取り除きましょう。ごみを取り除いたフィルターを付け直しても問題が解消されない場合は、目詰まりでなく劣化によりトラブルが生じている可能性もあります。
5.フロートバブルを交換する
フロートバブルが原因の場合は、フロートバブルの交換も検討しましょう。フロートバブルは、以下の手順で交換できます。
1.止水栓を閉め、レバーハンドルを回してトイレタンクの水を空にする
2.タンクのふたを開ける
3.レバーハンドルに繋がるチェーンを外してフロートバブルを取り除く
4.新しいフロートバブルのチェーンをレバーハンドルに繋げ、長さを調整する
5.タンクのふたを戻して止水栓を開ける
6.レバーハンドルを交換する
レバーハンドルも交換可能な部品です。レバーハンドルが戻らないなどの不具合が発生しているときは、レバーハンドルを交換することで改善することがあります。
交換時には、レバーハンドルを固定するナットを外して、タンクから引き抜くようにして古いレバーハンドルを取り外し、新しいレバーハンドルを差し込んで固定しましょう。
7.水道管の凍結を解消する
冬場に水抜きをせずに数日間水を流さなかった場合などに、水道管が凍結して一時的に水が流れなくなることもあります。トラブルを防ぐためにも自然に解けるのを待つのが無難ですが、急ぎの場合は水道管を温めて解消することもあるでしょう。
急激な温度変化は水道管破裂の要因にもなるので、温めて凍結を解消する場合はお湯を直接かけたり熱湯をかけたりするのは避けましょう。
自力でトイレの水がたまらない状況を改善できない場合はプロに相談
今回取り上げたように、トイレの水がたまらない原因は多岐にわたります。原因を特定するにはタンクを開けて一つひとつチェックしていく必要があるため、原因を探すだけでも難易度が高いです。
仮に原因が特定できたとしても、原因次第では調整や交換が必要なものもあり、自力での対処が難しいこともあるでしょう。トイレの水がたまらない原因を解消するにはプロに依頼するのも方法のひとつです。
クラシアンでは、水回りのトラブルの相談を24時間受け付けているほか、365日対応しています。トイレのトラブルにお困りの際は、ご相談ください。
トイレ・ウォシュレットのつまり・水漏れ修理交換のサービスと料金 | クラシアン
トイレのつまり・水漏れ修理交換のサービスと料金 | クラシアン
まとめ
トイレの水がたまらないのには、止水栓の開け忘れや浮き球調整不良、ボールタップの故障などさまざまな原因があります。個人での原因の特定や対処は難しい部分もあるため、対処はプロにおまかせするのがおすすめです。
※この記事に含まれるデータは、公開時点のものであり、価格やサービス内容が変更されている場合があります。詳しくは最新の情報をご確認ください。
※本サービスが提供する情報の具体的な利用に関しては、利用者の責任において行っていただくものとします。